中勢鉄道遺構 誕生寺駅から
中勢鉄道は、津市の岩田橋と久居を結んだ大日本軌道が前身です。1920年に中勢鉄道となって、久居から伊勢川口までが鉄道として建設され、軌道線(道路上に敷設)と鉄道線との直通運転が行われました。しかしすぐそばに名松線や参宮急行(現近鉄)が開業したことで利用者が激減し、戦時中に廃止されました。
中勢鉄道の数少ないホームの遺構の一つに、天台真盛宗開祖、真盛(しんせい)上人の誕生地(誕生寺)に設けられた「誕生寺駅」があります。競合したといわれる名松線は、雲出川をはさんで対岸を走ります。
また、寺の周辺には真盛(しんせい)上人ゆかりの磨崖仏や、
幼少の上人を入れ淵に流した笠が、光り輝く祥雲とともに降り立った巖などが見うけられます。