さくら 桜 サクラ ちょっぴり椿
亀ヶ広(伊勢大井附近)の桜並木は古来、伊勢街道のひとつ「長谷道」として参宮客も行き来した雲出川沿いの道です。人々が旅人の心をいやそう植えたものが、当時から有名になり現在でも、川の左岸500mに渡ってソメイヨシノを中心に約250本の桜並木が続いています。
また、八太(はた)城(伊勢八太附近)は、北畠氏配下の田上氏が永禄年間に居城しました。北畠氏滅亡後、秀吉に仕えましたが文禄の役で当主が戦死し、同氏は途絶えました。城は土塁や堀切あとが確認できます。そして春にはヤマザクラが山肌をうめつくします。
徳治桜(一志附近)は、線路わきにながめることができ乗客の目を楽しませてくれる、歴史を感じさせる古木の一本桜です。
一方、めがね橋の姿をした二雲橋(家城附近)は、甌穴(おうけつ)とよばれる岩床のくぼみを流れる清流もさることながら、橋のたもとにあるこれも古木の桜とともに春の名松線風景を演出します。
ところで、桜の勢いにけおされながらも、この季節、伊勢八太附近の沿線にそびえる一本椿は、可憐な花とともに捨てがたい季節の旅情を感じさせます。