2021 夏日 水景のしらべ
梅雨明け十日とはよくいったもので、30度越えの日がつづきます。さらにコロナ、東京五輪といった世論のヒートアップ状況がそれに輪をかけます。
そのような中でも名松線の列車たちは、雲出川上流の山線区間を定時で粛々とはしります。この季節の主役は「川」といってもいいでしょう。
伊勢奥津付近の鉄橋では水底まで透きとおった流れが、川床の石を朝日にきらめかせます。
また、下流にいたれば鉄橋をわたる列車を水鏡にえがいて、大河のおだやかなたたずまいをみせる川面にはじまり、あるときは紺碧の淵に、あるときは大小の岩をぬう早瀬にすがたをかえる水流は、猛暑いや酷暑の夏にひとときの涼感をあたえます。
それは、夏限定で「川」がかなでる水景のしらべでもあります。
列車は、水景のしらべにつつまれて夏日の山線をはしります。
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