令和 新春 ロウバイ(蠟梅)
令和になって最初の新年、名松線ぞいの白山や美杉をふく寒風は、日の光をさえぎる雲をつぎつぎにはこびます。 花をつけたロウバイの黄色やミツマタのつぼみが、日かげ・日なたと刻々かわる光の饗宴に新春のかがやきをあらたにします。 列車はそれらをはるか前景にまた車窓ちかくにながめ通りす...
令和初めての錦秋
令和になってはじめての秋、名松線は錦秋のよそおいをととのえます。 遠くの山やいろづく木立をそめて昇る朝日に車体をかがやかせ、伊勢奥津行きの一番列車がはしります。 やがて、渓谷いっぱいに枝をのばすモミジの朱色を前景に覆道を、また紅葉の林を背景に橋梁を通過する単行列車は...
旅する蝶にフジバカマ
アサギマダラは長距離を旅する、日本で唯一の渡り蝶として知られています。東北、九州、沖縄、台湾などをすみかとして、季節ごとに南北を移動します。 美杉町「アサギマダラの郷づくりプロジェクト」に協賛して、美杉中学校の生徒たちが栽培するフジバカマ畑が、伊勢奥津駅の近くにあります...
初秋 ススキ(尾花) オギ(荻)
風にたなびくススキ(尾花)やオギ(荻)が秋のおとずれをつげます。 いずれも万葉・古今のころから和歌にもうたわれ、ススキ(尾花)は密かなに想いをよせる恋心、オギは秋の到来や静かな夜長に聞こえる音などのモチーフになりました。 ...
2019 晩夏 橋梁 稲穂波
晩夏のころになりました。日差しは依然として酷暑ベースで照り付けます。 伊勢奥津の水田は、稲穂波の金色が涼しい風を誘います。比津駅を目指す列車が定時で通過します。 比津駅付近は、雲出川の上流だけにいわばしり激しく流れる水のしぶきが日の光にきらめきます。また深々と水をた...
なにも足さないなにも引かない自然の中に
梅雨の合間、久方ぶりの青空の下、色鮮やかなアジサイを前景に列車は走ります。 連日の雨で増水し雲出川の河口堰にあふれる濁流は、水煙を列車にとどかす勢いです。 やがて列車は、なにも足さないなにも引かない自然につつまれた井関駅に定時で入線します。
令和元年 五月晴れ こいのぼり
令和元年、五月晴れの空におよぐヒゴイ、マゴイそしてこどものコイたち。若い人たちの姿をみかけることが少なくなった山間部であればこそ、その雄姿がひときわ目にあざやかです。 渓谷にそってならび立つ杉林、大岩や小岩に水しぶきをあげる清流を車窓に映し列車はやがて、コイノボリの里を通過...
さくら 桜 春の荘厳から
遊具から園児の声がきこえない廃園の保育園に、今年も桜が花をつけました。はるかかなたを列車が定時にはしりさります。 また、おだやかな流れの雲出川の岸辺に桜が春の荘厳をこらします。満開の桜の下を列車は単機で走行します。
薄墨桜によせて
伊勢竹原の薄墨桜は満開をむかえ桜の季節の幕開けをつげます。ピンク色の咲きはじから薄墨の白へうつる姿に、おとずれる春の息吹を感じます。 一方、冬枯れの野山にひかえめな花をつける、早咲きの桜を目にするころでもあります。 着実な歩みのさくら前線を近景・遠景に、列車は春を走ります。
サクラの季節へのプレリュード
名松線沿線にも春の気配がいちだんと増してきました。 カンヒザクラ(寒緋桜)がもみじの古木をいろどるかなた、雲出川橋梁を名松線の単行列車が通ります。 そして春の陽光にきらめくミツマタや白梅を近景や遠景に、列車は粛々と定時の発着をとげていきます。...