ロウバイ(蠟梅) 紅梅 そして菜の花
春は名のみの寒風のもと、ロウ細工のような艶やかさに黄色がはえるロウバイや、はれた空いちめんの紅梅・白梅、そして畑をあかるい黄でそめあげる菜の花が早春のしらべをつたえます。 そこまできているあかるい春の日ざしにむかって単行の列車がはしります。
2019年 平成最後の新春
平成最後の新春、名松線の比津駅では冬枯れの中を苔むした野面積みの石垣を眼下に、伊勢奥津行きの列車が発車します。 また一志駅付近では、吹きすさぶ北風に波紋を描く水辺や枯れ荻のかなたを、松阪行の列車が通過します。 春は名のみの観しきりの今日このごろです。
晩秋 紅葉 水鏡
晩秋のころになりました。名松線沿線の家城付近では、アーチ橋を見あげる雲出川の川面を水鏡に、紅葉が映えるありさまが、この季節ならではの情趣をあたえます。 また、伊勢鎌倉駅から遠望する黄色を主とした山々のいろどりも、冬への荘厳の趣があります。...
霜月 紅葉 名松線
霜月初めのころ、伊勢奥津の名松線沿線は紅葉の時期をむかえます。 雲間からもれる日の光が木々を鮮やかに染めあげる中を、また伊勢鎌倉の川面に映える黄金色の大木のかなたを、そして家城付近の夕日に朱色がきわ立つ木々の間を、列車は通り過ぎていきます。
秋日和から
伊勢鎌倉駅の小高いホームから見下ろせば、秋日に映える柿の木が二本、秋深しの情景を演出しています。シブ柿らしく、野鳥のくちばしをのがれて枝いっぱいに実をつけた姿は、「季節の使い」の貫録を存分に発揮しています。そのような中、列車は定時の着・発を粛々と遂げていきます。 ...
彼岸花の季節へ
観測史上「初」ということばが、連日くりかえされた今年の夏も次の季節をはぐくむころになりました。名松線沿いの地域では季節の狂騒にかかわりなく、彼岸花が秋空にたけ高いすがたをみせています。秋天の青、田畑のみどり、朱色に群れ咲く彼岸花、秋色コントラストの中を列車は走ります。
2018年夏 酷暑・惨暑
酷暑・惨暑の呼称がふさわしい2018年夏。 雲出川上流では渓流の響きが、一瞬の清涼感をもたらします。伊勢奥津駅にむかう始発列車が、比津駅近くの橋梁にさしかかるころ、真夏の太陽は列車の前面に容赦なく降り注ぎます。橋梁下の水面はその時、青空を映し輝きます。...
夏至のころ、そしてマジックアワー
夏至を過ぎたこのころ、梅雨の晴れ間の夕景は、思いもかけない「マジックアワー」を準備します。 それは、日没後の限られた瞬間に体験できる薄明の時間帯です。そのとき、光源となる太陽はすでに姿を消しており、景色全体が限りなく影の無い状態のつつまれます。目にするあらゆるものの色相はソ...
麦秋のころ 野猿 紫陽花の季節
名松線沿線は麦秋の時節を迎えます。梅雨入り直前の貴重な青空のもと、野猿の活動も電気柵等をものともせずに盛んです。一方、紫陽花はボリュームある姿でこれからの季節をいろどります。山々の緑が初夏へ移る山間を列車は定時で通過します。
美杉 初夏へ
美杉地域の水田に早苗が端正な幾何学模様を描くころ、レンゲ畑の彼方では、山々の緑が初夏へと装いをあらためます。 列車は単機で、重連で通過していきます。